札幌つくろ〜ぐ

〜Made in 札幌の可能性を探そう

空きテナントのゴーストタウン

 私は毎日ランニングを欠かさないようにしている。大体,4つくらいのルートを設定して,気分によってルートを変えるようにしている。

 ランニングの際は,走ることに過度に集中せず,できるだけ街並みを見ることができるくらいの余裕を持って走るようにしている。同じようなルートを走っていると,街のちょっとした変化にも敏感になる。ここに新しい店ができそうだとか,ここのマンションの入居者募集のポスターがなくなったとか,いろいろと気づくことが多い。

 最近,私が走っている札幌市中央区内の大きな通りに面していない場所で営業をしていた店や事務所店舗が相次いで移転をした。移転というか事実上廃業したような感じだ。また,裏路地の店舗不動産だけでなく,大きな通りに面している店舗不動産にも空きが多くなり,テナント募集中のポスターが目立つようになってきている。このように札幌市の中心部から少し離れれば,テナント募集中のポスターが至るところに貼られ,長い間そのままになっている物件が多くなっている。

 

 マイクロビジネス等を起業する際,固定費を減らすため,できるだけ家賃を発生させないようにするべきと言われている。特に月額の収入が大きくないときは固定費がゼロに近ければ近いほどよい。

 しかし,どんなに小さいビジネスをはじめるのにも,数人集まれば,一定の職場スペースは必要となることだろう。そんなときに,テナント物件の確保は頭の痛い問題となる。誰でも簡単に借りることは難しいのが実際であろう。

 そこで,本格的な借主が現れるまでの一時的な期間でも格安で起業者が空きテナントを利用できるようにできれば,空きテナントのオーナーとマイクロビジネスの起業者の双方の利益となるのではないかと思う。または,起業者が本格的な賃借人となるように長期的な視点から家賃を段階的に上げていくような料金体系を整えるなどでもよいと思う。

 

 つまり,これからのテナント市場,特に中央部から離れた物件は大きな資本力を持った借り手を想定することは困難になるだろう。ならば,テナントのオーナーや管理会社がそのようのテナント候補を養成するような方向で動くことはできないのであろうか。

 仮にこのような取り組みが始まれば,札幌市の至るところでテナント物件に夜間明かりが灯り,ゴーストタウンのような静けさがなくなるように思う。