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家族制度が維持できなくてもしょうがない

 これまた私が言うまでもないことだけれども,家族制度は個人の考え方に左右されるものではありません。個人の思いが先にあって,家族を形成するか否か,どのような家族を形成するか,決まるものではありません。

 家族制度は個人の主観的な思いより前に,雇用形態,働き方に従い変化を余儀なくされます。もはや身分制度ともいうべき正規雇用・非正規雇用の格差。正社員の長時間労働。女性が長期的で安定的な雇用を維持できない現状。厳格な解雇規制法理のもと,雇用の流動化が極端に低い現実。これらの要因が家族のあり方に大きく影響を及ぼししていることは容易に想像できることでしょう。

 つまり,家族制度の問題点を見るならば,まず始めに雇用や働き方の現状の問題点を指摘しなければなりません。前述の今の日本の雇用形態・勤務形態からすれば,昭和の時代のような家族制度を維持できなくてもしょうがないでしょう。今のいびつな雇用形態・勤務形態からすれば,いびつな家族制度しか維持できないことは明白です。

 私達がコミュニティのあり方について議論する際,コミュニティの基本的な形式のひとつである家族のあり方を検討してみなければなりません。そして,家族のあり方を考え,現状に適合した家族制度を検討する際には,どのような雇用方法,働き方があるのかということをまず先に考えなければならないでしょう。

 そこで,これからこのブログにおいて家族制度,コミュニティについて検討したいと考えていますが,その際にはむしろ雇用制度,働き方のあり方について主に検証しなければならないと考えています。

 そして,今の時代において,仕事と家族,仕事と多様な仲間関係,仕事とコミュニティを並行して築くためにどのような雇用制度,勤務形態が適当なのか,考え提案していきたいと思っています。